起業を決意した時

会社がつぶれる!?

某月の月初。
働いていた会社に、取引先への未払いにより、一斉に多くの電話が鳴り響いた。
ベンチャー企業であったが、毎年右肩上がりで利益もそこそこ出ているはずだった。
原価などもしる立場にもあったので、それは確かである。
「なのに、なぜ?」あとから聞いたことだが、それは会社役員が私腹を肥やす為に使われていたそうだ。
なんとも悲しい結末だ。そのまま逃げてしまったらしい。
しかもその人は、設立当初に資金援助をして、会社の役員名簿には乗っていない。
エンジェル投資家とも言うべきか。。。上納金のように、毎月の利益の大半がそこに流れていたようだ。

きっかけは突然に

「転職活動しないとなーっ」て考えていた時、
社内の他部署の部長よりお昼の誘いが初めてあった。
なんだろうと思いながら待ち合わせの店に行って、お昼を食べることに。
会社の話をしながら、「愚痴でおわるんだろうなー」って思っていたら、
急に真面目な顔で、
『一緒に会社立ち上げないか』って。
時間が止まる感覚というのは、こういうことなんだ、と初めて体験した感覚だった。

自分で言うのもなんだが、新規事業部の責任者として、半年で1億円を稼ぎ出すほどの成績を残す敏腕営業マンだったのだ。
一緒にやったら、いい夢が見れるとも思ったのだろう。もしくは、楽して暮らせるとも思ったのか・・・
これが後に後者であることに気づかされるのだが、この時はもちろん、そんな考えはほとんどなかった。

そして、自分は過信し過ぎてしまっていたことにも後々気づく。それは別な章で述べるとしよう。

決断

1週間後。
なんの不安も感じることなく、勤めていた会社の余命も長くないことが分かったので、
あっさり独立することに、乗っかった。
もちろん、事業は、今の会社でやっていることと同じこと。
それ以外考えられなかったけど、取引先になんて言おうか、すごい悩んだ記憶があるなー。
しっかりシナリオを作らないと。
今の会社がなくなることは、取引先に関しては、大きな痛手。
これがうまくいかないと会社を興しても取引してくれないのではないか。
そう考えたら、独立することすら難しいのではないか、という疑念にも苛まれた。

チャンス

二の足を踏んでいたある日、勤めていた会社が、なんと融資を受けられることになった、と情報をGetした。
これもどうやら裏があったそうだが・・・
とにかく、今がチャンス!と思って、会社を辞めることを、自分の会社と全取引先に報告。
卸先の取引先には、今の会社の有志数名で独立することも報告。
実績もあったので、引き続きの取引の快諾もとることができた!
「神様がうちらの独立を後押ししてくれてるんだ(特に宗教信仰はないが・・・)」、と思って意気揚々と発起人に報告しに行った。

想定外!?

その時のことは、よく覚えている。
報告の為に、お昼を以前と同じ店でとることに。

「部長、取引先も独立後でも取引してくれますよ」と声高らかに報告した。
返ってきた言葉は、
『よかったじゃん。んじゃ社長任せるね。おれ面倒くさいの嫌だから。』と。
「え??どういうことですか。営業やりながら経営なんて出来ないし、そもそもお金はどうするんですか?」
『大丈夫だよ。君なら。銀行からも融資受ければ、お金問題は解決するし、すぐ成績残せるでしょ」と。
本当にこの無責任さと軽さに腹が立ったのは、今でも忘れない。
でも、取引先には言ってしまっているし、今更なかったことにもできないし。
とにかく、会社立ち上げのためにやることがいっぱい出てきて、
すぐにその怒りを忘れるとともに、「やらないと」という思いが脅迫されているかのように、
自分の視野を狭くしてしまった。

代表になることを決意

もう、ここまで来てしまったからには、やるしかない。
そんな感情で、1か月ほぼ寝ることもなく、会社立ち上げの諸手続きと、
新しい会社で販売する商品の企画、マーケティング、販促計画を作る日々が続いた。
代表になることを決意したと書いたが、自然とその方向になってしまった、という方が正解かもしれない。

酒にも、時代の流れにも飲まれるのはとても嫌いだったが、
こんな時に、変な波に飲み込まれてしまった。一旦立ち止まっていれば・・・
後悔したことは数知れず。

ただ、その時は、がむしゃらに邁進していた。
そのおかげで、設立前にも、多くの投資家や経営者に出会うこともできた。
勢いでここまで来たが、これはこれでよかったのだと自分を納得させていた。

起業を決意した時、それは波の中での苦渋の決断?

こうやって、振り返ると決断という瞬間が明確にあったのかと言われるとなかった気がする。
全ては、「勢い」か。
まっ「勢い」でなければ起業なんてこともなかったとは思う。
後に後悔は数多くしたが、その分、普通では経験できないことを経験できるきっかけになったのは間違いない。

【あとがき】
これから起業する人に向けてちょっとだけ。

「勢い」は大事。でも、湧き上がる自分の意志の勢い、で決めてほしい。そこに情熱がなければ、そこに明確な意志がなければ、大きな成功は得られない。今は、インターネットバブルとも言うべき時代。ネットビジネスが伸び、数々の若手起業家が現れ、多くのサービスを生み出している。そして、アイデアが革新的であれば、クラウドファンディングで資金も募ることができる時代。でも、そこに本当に自分のビジネスへの情熱がないとやはり長続きはしない。会社が新設される分、同じ数の会社がなくなっていく。だからと言って、息の長い会社を作れというのではない。ただこれについては、後日述べることにしよう。

では、余韻を残して。

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